財務の概要FINANCE
学校法人・学校法人会計とは
学校法人とは、学校教育法・私立学校法の定めるところにより、私立学校の設置を目的として設立された法人です。一般に、企業は利益を追求することを目的としますが、学校法人は独自の理念に基づいて教育・研究活動をおこない、その成果を社会に還元することを目的としています。したがって、学校法人はきわめて公共性の高い経営主体であるといえます。
それゆえに、学校法人は安定性・継続性（永続性）をもって教育・研究活動をおこなうことを求められます。たとえば、施設設備などの必要不可欠な資産の維持・充実は、自己資金でおこなわなければなりません。他方、学校法人は、私立学校振興助成法の定めるところにより、国または地方公共団体から教育の振興上必要な助成をうけることができます。
こうした特性を踏まえ、学校法人が適正な会計処理をおこなうための基準として制定されたのが「学校法人会計基準」です。国または地方公共団体から助成をうける学校法人は、この基準に則って会計処理をおこない、会計年度ごとに財務計算に関する書類を作成し、所轄庁に届け出ることが義務付けられています。また、このほかに収支予算書、公認会計士または監査法人の監査報告書を届け出なければなりません。
このように、学校法人会計には、学校経営の健全性を測定し財政基盤の安定に資するとともに、公教育を担う学校法人の経営状態について社会に開示するという目的があります。
学校法人会計における計算書類
資金収支計算書
当該会計年度の諸活動に対応する、すべての資金の収入・支出の内容と支払資金（現金預金）の収入・支出の顛末を明らかにします。企業会計の「キャッシュ・フロー計算書」に相当します。
事業活動収支計算書
当該会計年度の活動に対応する、事業活動収入・事業活動支出の内容と均衡状態を明らかにします。企業会計の「損益計算書」に相当します。
貸借対照表
当該年度末における、資産・負債・基本金・繰越収支差額の内容と財政状態を明らかにします。企業会計の「貸借対照表」に相当します。